Make.comで帳票PDFを自動生成する方法|公式アプリ Re:port Flow でノーコード連携
Re:port Flowは、Make.com Apps DX審査を通過し、公式アプリとしてMake App Directoryに掲載されています。接続はOAuth 2.0(Authorization Code + PKCE)のみで、APIキーの手動入力は不要です。本記事では、公式アプリ「Re:port Flow」を使った帳票PDF生成シナリオの構築手順を解説します。
この記事でできること
- 公式アプリ「Re:port Flow」をMake.comにOAuth 2.0接続し、コードなしで帳票PDF生成を自動化
- Google スプレッドシートやフォームのデータから請求書・納品書などのPDFを生成
- 生成したPDFをGoogle Driveへ保存、またはメール・Slackに連携
- 大量生成は非同期モジュール+Watch file completedトリガーで効率化
Re:port Flow公式Makeアプリとは
Re:port Flowは2026年9月、Make.com Apps DX審査を通過し、Make App Directoryに公開される公式アプリになりました。接続方式はOAuth 2.0(Authorization Code + PKCE)のみで、認可時に openid・profile・designs:read・templates:read・pdf:generate のスコープを要求します。従来の「HTTP > Make a request」モジュールでURLやAPIキーをヘッダーに手書きする方法と異なり、モジュールを開くだけでDesign IDがドロップダウンから選べ、選択したテンプレートに応じてパラメータ入力欄が自動展開されます。
事前準備
- Re:port Flowのワークスペースを作成する(無料プランでお試し可能)
- PDFのもとになるデザイン(テンプレート)を1つ以上作成する。まだ無い場合はテンプレートギャラリーから複製できます
- Makeのアカウントを用意する
Make.comでのシナリオ構築手順
Step 1: トリガーを配置する
新規シナリオを作成し、起点となるモジュールを配置します。
- Google Sheets: Watch Rows(行が追加されたら)
- Webhooks: Custom webhook(外部システムからの通知)
- Schedule: 毎月1日に実行(月次請求書の一括発行)
Step 2: Re:port Flowモジュールを追加し、OAuth 2.0で接続する
シナリオに Re:port Flow の任意のモジュール(例: Generate single PDF (sync))を追加し、Connectionの「Add connection」をクリックしてRe:port Flowワークスペースにサインイン・認可します。接続が完了すれば、以降どのモジュールからも同じ接続を使い回せます。
Step 3: Design ID・Template parametersを設定する
- Design ID と Version を設定すると、Template parameters がデザインに応じて自動的に展開されます
- 展開されたパラメータに、前段モジュールの出力をマッピングします
- File name(例: invoice.pdf)を設定します
- 必要に応じて Share type(Workspace / Invited / Public)や Passcode protection を設定します
Step 4: 生成結果を後続モジュールへ渡す
Generate single PDF (sync) の出力(data バイナリ、または files[].share.url など)を後続モジュールに渡します。
- Google Drive: Upload a File(ファイル名に請求書番号などを利用)
- Gmail / Email: Send an Emailの添付ファイルに指定
- Slack: ファイルアップロードで通知
モジュール一覧
公式アプリには次の1トリガー・8アクションが用意されています。
| 種類 | モジュール | 用途 |
|---|---|---|
| Trigger | Watch file completed | PDF生成完了時にシナリオを起動する(※ワークスペース管理者での接続が必要) |
| Action | Generate single PDF (sync) | 単一PDFを同期生成し、ファイルURLを即時返す |
| Action | Generate single PDF (async) | 単一PDFの非同期生成を開始し requestId を返す |
| Action | Generate multiple PDFs (sync) | 複数PDFを同期生成しZIPのURLを即時返す |
| Action | Generate multiple PDFs (async) | 複数PDFの非同期生成を開始する |
| Action | Build content item | 複数PDF生成1件分の入力(ファイル名・共有設定・パラメータ)を組み立てるヘルパー |
| Action | Download file | requestId を指定して生成済みPDFをダウンロードする |
| Action | Get design parameters | デザインが要求するパラメータ構造を取得する |
| Action | Make an API call | Re:port Flow APIを認証済みのまま直接呼び出す汎用モジュール |
大量生成・非同期処理も専用モジュールで完結
月次の一括発行など件数が多い場合は、Generate single PDF (async) または Generate multiple PDFs (async) を使い、Watch file completed トリガーで完了を検知する構成にします。複数PDFをまとめて生成する場合は、事前に Get design parameters でパラメータ構造を取得し、明細ごとに Build content item で入力を組み立ててから Generate multiple PDFs に渡すと、シナリオ内のループを抑えられます。同期生成のタイムアウトは120秒、非同期生成にはタイムアウトがありません。
Passthroughパターンでコンテキストを引き継ぐ
生成完了後に「どのレコードのPDFか」を判定したい場合は、生成時にパラメータへ任意の値(例: NotionページID)を渡しておきます。Watch file completed の出力にその値が含まれるため、後続モジュールでレコードの更新やファイル添付に利用できます。
標準モジュールにない操作は「Make an API call」で
専用モジュールが対応していないエンドポイントを呼びたい場合は、Make an API call モジュールを使います。OAuth 2.0接続をそのまま利用するため、URLやヘッダーを個別に手書きする必要がありません。
よくある質問
Make.comの汎用HTTPモジュール(旧来の連携方法)との違いは?
公式アプリは接続方式がOAuth 2.0(Authorization Code + PKCE)に統一されており、URLやAPIキーをヘッダーに手書きする必要がありません。Design ID・パラメータもMake上で自動的に選択肢化されます。
テンプレートを修正したらMake側の再設定は必要ですか?
不要です。ブラウザの帳票デザイナーで編集すれば、次回のモジュール実行から反映されます。
日本語フォントや複雑な表組みには対応していますか?
日本語フォント・表の縦結合・改ページ制御に標準対応しています。
出力履歴は残りますか?
誰がいつ何を出力したかが記録され、再ダウンロードも可能です。
Watch file completedトリガーが動きません
管理者以外のアカウントで接続している可能性があります。ワークスペースの管理者(ADMIN)権限を持つRe:port Flowアカウントで接続し直してください(PDF生成のみを行うアクションには管理者権限は不要です)。
リクエストが429エラーになります
ワークスペース単位のレート制限(同期生成30 req/min、非同期生成・ダウンロード100 req/min)を超えています。レスポンスの Retry-After ヘッダーの秒数だけ待ってから再試行してください。
まとめ
Re:port Flowの公式Makeアプリを使えば、OAuth 2.0接続だけで帳票PDF生成をMake.comのワークフローに組み込めます。詳しい設定手順は開発者ドキュメントのMake連携ガイドも参照してください。まずは無料プランでテンプレートを1枚作成し、本記事のシナリオを試してみてください。